【代表ブログ】学ぶことと遊ぶこと
私たちが物件場所として選んだ岡山県瀬戸内市牛窓地域は過疎地域として指定されています。
神奈川県横浜市から西日本豪雨のボランティア活動を機にこの牛窓に移住をした私から見ると、牛窓という地域は、
- 自然が豊かで、特に穏やかな海があり、ここに住みたいと感じさせられる
- 働き口がたくさんあるであろう岡山市までも車で1時間程度、公共交通機関を使っても1時間程度で岡山駅まで行ける
- 瀬戸内市の中心部まで車で20分程で行くことが出来、車があれば買い物には困らない
という地域なので、「どうして牛窓が過疎になるのだろう?」と、少し不思議な気持ちになるくらいです。
「車で30分以内で通勤出来るところを探す」という岡山の方の感覚があると知り、それなら確かに条件に合わないなと感じているものの、横浜から満員電車で東京へ勤めていた私の感覚では、通勤に片道1時間半など当たり前のことだったので、そこは通勤という事に対する考え方の違いなのかなと思っていたりします。
2019年9月にMikatanaをオープンして半年が経過しました。
大きな出来事は、新小学一年生が加わり、それに伴い2020年4月からは午前中を「学び」の時間と定め、午後を「遊び」の時間とすることにしました。
1年生には個別のカリキュラムを組んでいます。「サーキットトレーニング」と呼ばれる女性専用フィットネス「カーブス社」のやり方を模倣し、
- 国語(現在はひらがなの読み書き)
- 算数(現在早くも足し算)
- 木工の基礎(現在は小刀を使って鉛筆削りや彫刻刀を使った芋版作り)
- タイピングトレーニング(現在は、S,D,F,G,H,J,K,Lまで)
- マウスの練習(主にイラスト作成)
この5つを任意の順番で行い、終わったら作成した芋版を押します。これは飽きさせない工夫でもあります。
学ぶことの楽しさを全開で感じてもらえるよう、自作のゲームや数を使った遊びなどをふんだんに取り入れています。
不思議な現象
しばらくすると、不思議な現象が起こりました。
1年生があまりにも楽しそうに、熱心に学んでいるので、それに他の内部生が影響を受け始めたのです。
私たちの方針は自主性。こちらからの強制はほとんど行っていません。
「4月から午前中は学びの時間になります」という告知を、保護者様に伝えておりました。取り組むかどうかは本人次第でしたが、
1年生のテーブルに一緒に座って学校の宿題に取り組むという不思議な現象が起こり始めました。
学びの時間をこれまで入れられなかった理由
ドイツで生まれ、オランダで広がっている「イエナプラン教育」を私たちは1つの教育コンセプトとして考えています。
ですので、オープン当初から学ぶ時間を確保するつもりでおりました。しかし、不登校生が通い始めてすぐに考えさせられた事象があります。
それは、勉強への拒絶です。
勉強の「べ」の字でも出そうものなら、荒れてしまうお子さんもいました。学校の「が」の字でも出そうものなら、泣きわめくお子さんもいました。
遊びから入り、閉ざしてしまった心を解きほぐし、信頼関係を構築してからでもその状況が変わらないお子さんが大半でした。
それが、学びの時間を入れることが出来なかった理由です。
学ぶことは、教科書を開いてやることだけでは無いと常々思っていましたので、そのようなお子さんには興味関心の延長線上にある「ドローン」や「ロボット」、「工作」、「木工」、「IT」で学ぶことの機会を提供していました。
4月から来ている1年生がそうであるように、「学ぶこと」、「何かが出来るようになること」、「知ること」は、本来楽しいはずです。
1年生は、「しゅんさん!出来た!」と1人で解いた足し算の問題10問を持って来て、「全問正解!もしかして天才か??」と伝えると、嬉しそうな表情を見せてくれます。
これが、不思議な現象を引き起こしている大きな要因だと私は考えています。
地域連携
Mikatanaには、遠くは倉敷市から。そして、岡山市、備前市と遠方から子ども達が来てくれています。もちろん、地元のお子さんや瀬戸内市のお子さんも来ています。
子ども達の賑やかな声が「過疎」と言われる「牛窓地域」に響き渡り、その事を喜ばしく思ってくださる地域の方々も大勢います。
中でも、子ども達と地域のお年寄りが一緒に農業体験を出来る企画を考えて下さり、市の耕作放棄地を使えるよう動いて下さり、さらに地元の農家さん達を巻き込んでのプロジェクトは、まさに地域連携でした。
お年寄りにとっても、不登校生にとっても、地域にとってもメリットだらけの素晴らしいプロジェクトです。
このようなプロジェクトがどんどん動いていくと素敵だなと感じます。
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